QUE SERA SERA

Articles & Photographs by YUKA ASHIYA                                   

ラオス紀行

Articles & Photographs by YUKA ASHIYA

ルアンプラバン写真館

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メコン川沿いの船着き場


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国立博物館の庭の一角


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壷の並ぶ街角


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メコン川沿いの村落


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パークウー洞窟の船着き場


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ラオ酒を醸造中


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街中での宝くじ売り場


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街角の風景


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早朝の托鉢


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少年僧侶たちの午后のひととき


 

 


 
 

ラオスのひょうたん伝説

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ラオスには「ひょうたん伝説」がある。

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最も最初のラオ人は「クン・ボロム」という名の人だそうで、
天にいた王が彼を地上に遣わせた。
クン・ボロムは白い像に乗って天から降りて来て、
ラオスを国として治めた。

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クン・ボロムはある日、
2つの大きなひょうたんがなっている蔓を見つけ、
そのひょうたんを割ってみた。

すると中からは
女性、男性、動物、そして植物の種が、
次から次へと出て来たそうだ。

ひょうたんから生まれて来た人の中には、
クン・ボロムの7人も息子もいたという。
その7人はラオス各地に7つの小国をそれぞれつくって治めた。
うち、長男のクン・ローは現在のルアンプラバンに首都を置いたそうだ。
ルアンプラバンとは「王家のプラバン」という意味である。

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ラオスは人民民主共和国となる1975年まで、
君主制の国家だった。
王位を退いた最後の国王まで、
国王になった全員が「我はクン・ボロムの子孫」と自称していたらしい。

「ひょうたん伝説」。
いまもってまことしやかに伝えられるのは、
いかにも大陸的である。




 

ラオスで出会った男の子

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この男の子とは写真を撮る前夜、
ルアンプラバンのレストランで出会った。
軒先のテーブルで隣に座ったメキシコ人と話していた時、
ものを売りに来たのだった。

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彼が自ら刺繍したという布。
布は30cm×30cm程度の大きさの正方形。
男の子は甥っ子と同じぐらいの年齢だったので、
甥っ子へのお土産に 加えようと思って購入した。
甥っ子に、何かを感じてもらえるのではないかと思ったからである。

翌朝、ルアンプラバンを発つ予定は午後だったので朝は街中を散歩。
歩いていると前方に、この男の子の姿を見つけた。
若いアメリカ人のグループの人たちに、
そこに停まっている車の窓ガラスに綴りを書いてもらい、
英単語を教えてもらっていた。

学校に行けない子供たちはこんなふうにして勉強し、
英語を話せるようになっていくんだなあと感慨深いものがあった。

アメリカ人たちが行ってしまうのを待っていると、
彼はわたしに気がついた。
前夜、購入したことを覚えているらしい。
なんだかんだと話しているうちにふと思いついて、キャンディをあげることにした。
一緒にいたもう少し幼い女の子にも、
1人に3つずつあげたんだったと思う。

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まず女の子の掌に載せて、
それから男の子のほうを向いて男の子にあげた。
直後、女の子が川に1つ落ちたという。

わたしたちのいた場所はメコン川に張り出したテラスのようなところで、
テラスといっても屋根はワラ、床は木だ。
ただ、木のあいだの隙間はとても小さく、
銀紙に包まれた大きめのキャンディがそこから川へ落ちるはずがない。
だけど女の子は「本当に落ちた。1つ減ったからもう1つちょうだい」と言う。
男の子は笑っている。
わたしはホンマハウソヤロという笑い顔をつくって女の子を見た。
女の子も釣られて「えへへ」と笑った。
その笑顔が「嘘です」と言っている。
けど、わたしはもう1つあげることにした。

するとそのあと、男の子が自分の手の中からわたしに1つを返してきた。

「それはキミにあげたもの。なぜキミがわたしに返すのか」と聞いたら、
男の子はこう言った。

「お姉さんの分が1つ減ったからです」




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ルアンプラバンの寺院群

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ルアンプラバンにも、いくつもの仏教寺院がある。
観光の中心地の端にあるのが最も有名なワットシェントンだ。

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アルンプラバン様式といわれる、屋根が特徴的な寺院。
美しい流線型の屋根に、思わずため息が出る。
ここに、ラオスで最も尊い仏像「プラバン」があると言われている。
金とエメラルドでできているそうで、

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像には国を守る特別な力があると言われている。
4月のラオス正月にだけ見られるそうだ。

18世紀、シャム(現タイ)からの侵略者が盗んだものの、
「プラバン」がシャムに悪運をもたらしたため、
ラオスへ返したと言われている。

ただ、本物はパテト・ラオ(現政権)が
ソ連(当時)の社会主義の同志へ贈ったという噂もあるらしい。


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 これは「マイトーン(黄金の木)」が描かれた背面。
昔々、ここに高さ160mもの大木が立っていたそうで、
それがモチーフになっている。

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境内には霊柩車庫もある。
これは1960年に当時の王の葬儀で使われた霊柩車。
黄金の龍の霊柩車は、当時の王の力を窺わせる。

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これはちょうど中心部にある国立博物館の敷地内にある建物で、
寺院ではないがルアンプラバン様式の屋根がやはり美しい。

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博物館はもともと王宮で、
この中に収められている王の「座」や、
部屋を天井まで埋め尽くすようにしてある装飾にも息を吞む。

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この日は幼い僧侶に少年僧侶が展示物の内容を教えてあげていた。

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こちらは、190年前に建てられたワットマイ。
屋根は五重に重なり、壁面に描かれた「輪廻」も素晴らしい。

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この寺院は完成までに50年の歳月を費やしたという。
一見、暗い感じがするがこの壁面彫刻を見ると、
仏教芸術が隆盛を極めた時代に造られた
絢爛豪華な寺院であることがよくわかる。

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ルアンプラバンの街並

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ルアンプラバンの街並は綺麗だ。
タイやベトナムの文化と融合したものや、
アイアンの様式などにはフランス時代の名残もある。

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 その前を歩く僧侶の姿もまた、絵になる。

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観光客で最も多いのは、フランス人らしい。

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洒落た街の一角に、アジアらしい屋台が建ち並ぶ。
後進国のこうした屋台の中でもルアンプラバンは小綺麗。
観光客を意識してのことだろう。
ただし街の人々もやってくる。

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 一皿好きなものを好きなだけ入れて数百円ぐらいだった記憶がある。
味もそれなりに美味しい。

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夜はナイト・マーケットが楽しい。
売られているものはベトナムやタイ、カンボジアなどとよく似ているが、
ここのは特に刺繍のクオリティが高いし、
タイなどと比べて信じられない値段で売ってくれる。

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なかには、こんな可愛らしいものも。
小学生ぐらいの女の子が自分でつくって売っているのだと
恥ずかしそうに笑っていた。

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刺繍といえば、ワットシェントンの裏手の壁面に、
仏教に関する物語がモザイクで表してある。
この細やかな表現力は、
刺繍からきているように感じられた。

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(何十ものテントが並ぶナイト・マーケット)






 
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