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パシュパティナートでの葬儀は、まず遺体が川縁に運ばれて足を聖なる河へ浸けられます。これにどれほどの時間をかけるかは、遺族によります。この男性の奥さんらしき人は別れが辛くてあたりに響き渡るほど号泣していて、ついにこの日は火葬されませんでした。そう、気持ちに踏ん切りがつくまで火葬場の人は待ってくれるのです。

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遺族の気持ちが落ち着いたら、火葬の準備にかかりますが、その前に遺族で遺体を囲んで花などを捧げます。そして遺体は石台へと運ばれ、燃えやすいワラなどが遺体の上にかけられます。

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この、河の右手にある石台二つは、かつては王族専用だったそうです。

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火の回りがよくなるように、たまに係員によってワラや木片がかき回されそれによって空気を入れてよりきちんと焼けるようにされます。

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そして遺体の全てが灰になると、聖なる河へ流されます。

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熱い遺灰はジュッという音を立てて川へ落ちます。

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そのすぐ前では、子供たちが河に入って遊んでいます。ガンジス河での「沐浴」とはまた違った風景でした。ちなみに右手の遺体に見える赤いものは血ではなく、ヒンドゥ教で祈りを捧げる時に使う赤い粉です。

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これは下流での火葬の風景。遺族が最期のお別れをしています。

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遺族たち自らの手で、木片を台の下に入れ、遺体にワラをかぶせているようでした。

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そして火がつけられ、遺族は遺灰になるまで待ちます。多くの遺族が焼ける姿を何時間も見守っていました。

これらの風景を何時間ものあいだずっと対岸から見続けながら、「死」ってなんだろうとつくづく考えさせられました。

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